全身を鏡にうつすとき、鏡の大きさはその半分で良いがわかる図(全身鏡)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
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「ファッションチェックのために全身鏡が欲しい!」 そう思って家具屋さんに行ったとき、自分の身長と同じ高さの鏡を探していませんか?
実は、全身を映すために、自分の身長と同じサイズの鏡は必要ありません。 教科書にもよく書かれていますが、理論上は「身長の半分のサイズ」があれば、頭のてっぺんからつま先まで、全身を映すことができるのです。
「えっ、本当に? 離れれば映るけど、近くじゃ無理なんじゃない?」 そう感じる生徒も多いこの現象。実際に試してみると確かにその通りなのですが、なぜそうなるのかを幾何学的(図形)に証明すると、スッキリと納得がいきます。今回は、その仕組みが直感的にわかる作図プリントを作成しました。
身長の半分でいい理由を「作図」で解明する
こちらが、授業で使える配布用のプリントデータです。 右側に立っている人の目から見て、鏡(左側の線)のどの範囲があれば全身が映るのかを考えさせます。

光の道筋をたどると見えてくる
こちらが実際に作図をした回答例です。

ポイントは、「光の反射の法則」です。
頭が見える仕組み:頭のてっぺんから出た光が、鏡に反射して目に届く。
足が見える仕組み:つま先から出た光が、鏡に反射して目に届く。
この光の道筋を作図すると、鏡に必要な範囲は、ちょうど「目と頭の中点」から「目と足の中点」までの長さになることがわかります。これを足し合わせると、正確に身長の半分の長さになるのです。
ちょっとした図ですが、黒板で説明するだけでなく、実際に定規を使って線を引くことで、「あ!本当に半分だ!」と生徒の納得感が格段に変わります。丁寧につくらないと生徒が納得しないポイントですので、もしよかったらこのプリントをご利用ください。
【科学の余談】鏡から離れたら、もっと小さくても映る?
ここでもう一つ、生徒からよく出る鋭い質問があります。 「先生、鏡から遠くに離れれば、もっと小さい鏡でも全身が映るんじゃないですか?」
カメラやスマホで写真を撮るときは、離れれば離れるほど広い範囲が映りますよね。だから鏡も同じだと思いがちです。 しかし、答えは「NO」です。
実はこの「身長の半分必要」という法則は、鏡との距離に関係なく一定なのです。 鏡から離れれば、見かけの自分の姿は小さくなりますが、それと同時に鏡に映る範囲も狭くなるため、比率は変わりません。
「近くても遠くても、常に身長の半分が必要」。 これが鏡の不思議で面白いところです。もしご家庭に手頃な鏡があれば、紙などで上下を隠して「半分のサイズ」を作り、近づいたり離れたりして実験してみてください。きっと不思議な感覚が味わえますよ。
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